ED治療薬バイアグラと麻酔科との相性

バイアグラは、アメリカで1990年代の前半に狭心症を改善する為に開発された治療薬です。しかし、臨床試験では思う様な結果は出ませんでした。失敗したことにより試験の中止が決定されたのですが、被験者が余剰薬の返却を渋るという事態が起こります。これは、勃起を促進する作用を体験したからであり、これにより1998年にED治療薬として販売されることになります。

バイアグラは、PDE-5の酵素活性を阻害するということが具体的な作用です。これにより、陰茎周辺部の一酸化窒素作動性神経が作用し、血管が拡張されることにより血流量が増加する事になります。実際に勃起するためには性的な刺激を必要としますが、服用して30分程度で効果を発揮するようになり、その後5時間から6時間持続します。

夢の治療薬として一大センセーションを引き起こしたバイアグラですが、本来とは違う目的で使用されているので、注意しなくてはならない部分があります。まず、血圧が急激に変動してしまうので、著しい低血圧や高血圧の人は服用を禁止されています。勃起不全を改善することにより、生命に危険を及ぼすということはあってはならないからです。また、心臓や肝臓に問題を抱えている人も同様で、使用する事は認められていません。

また、オットセイやすっぽんなどの自然由来の精力剤とは異なり、人口的に合成して作りだした治療薬です。この為に、医薬品との相性という部分も考えなくてはなりません。心臓の鼓動の乱れを整える塩酸amiodarone製剤とバイアグラを併用した場合は、逆に心臓の鼓動に狂いが生じる危険があります。また、血圧を下げる作用のある医薬品との併用も禁止されています。麻酔科などの他の分野でも診療を受けている様な場合は、事前に確認しておかなくてはなりません。